2006年に17歳デビューして以来、今や押しも押されぬ世界トップクラスのビッグスターとなったテイラー・スウィフトです。
カントリー界の歌姫としてデビューしましたがゴリゴリのカントリーミュージック路線ではなく、自作のポップな楽曲とカントリーにありがちな「田舎のお姉さん風」な垢抜けないファッションではなく、最新の感覚を自然に取り入れて全世界の女子のファッション・アイコンとなりました。
写真集も出て、支持しているのが10代前半の女の子が中心です。
流石にこれではおじさんはついていけない世界かと思いきや、懐かしい感じのポップなメロディと「ティム・マグロウ」というベテランのカントリーミュージシャンのことを歌うなど「おじさん殺し」も華麗にやってのけました。
そして相当に広い世代から受け入れられました。
当然のことながら、私もその犠牲者です。
「ほほう、テイラー・スウィフトが歴史に残る名盤で、ブルーズですか」
「はい、あの、その、ブルーズとカントリーミュージックの見地から・・・」
「そ、そういえばもうすでにブルーズにこだわらずプログレとかも紹介してますし・・・」
もうメタメタですわ。
実を言えばアメリカでよくある “カントリー発ポップス行き” のディキシー・チックスとかシャナイア・トゥエインも好きです、よく聴いています。
ドリー・パートンやエミルー.ハリス、アリソン・クラウスのようなカントリーを離れずに活動している人もいいと思います。
そういう中でもテイラー・スウィフトにはただならぬ才能を感じてしまいます。
天は才能と美貌という2物を与えてしまいました。
良質のメロディは聞けばなんだか元気が出そうな気がしてきますし、ふとした時に気がつけば口ずさんでいるような状態です。こういうのがポップスの良さなんです。
ご紹介するのは最新の「スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)」です。
このアルバムは2010年にリリースしたサードアルバムの再録となります。
実は曰く付きシリーズです。
説明しておきますと、テイラーは2005年にビッグマシン・レコードと契約して2006年にデビューしました。2018年に契約が満了しリパブリック・レコードに移籍します。
ここまでは問題ないのですがビッグマシン・レコードはややこしいことに創設者の一人でもあるスクーター・ブラウンなる人物によって買収されます。
そしてテイラーによるビッグマシン期6枚のアルバムのマスターを投資会社シャムロック・ホールディングスに売却します。
テイラーは自身で買い取ろうとしましたが、到底納得できる条件は提示されませんでした。
そして音楽の権利を獲得するためにビッグマシン・レコード時代の6枚のアルバムを再録することを発表しました。
ミュージシャンを含め、様々な音楽関係の方々は概ねテイラーの姿勢を支持しています。
私は経緯の詳細を知りませんので、突っ込んだ論評はできませんが、一ファンとして思うのは普通にアーティストが安心して最高の才能を発揮できる状態を作っていただきたいということです。
といってもテイラーひとりの力だけでアルバムを作り上げて成功したわけでもありません。
テイラーさん、これからはいい仲間に巡り合ってくださいね。と願うばかりです。
今まですでに「レッド(テイラーズ・ヴァージョン)」と「フィアレス(テイラーズ・ヴァージョン)」を再録してリリースしています。併せてアルバムジャケットも新調しているのですが、反対の意志がそこはかとなく感じられます。
まず「フィアレス」と今回の「スピーク・ナウ」のオリジナルは右を向いた横顔ですが、「テイラーズ・ヴァージョン」は2枚とも逆向きです。「レッド」のオリジナルは目が帽子の陰で隠れていますが、「テイラーズ・ヴァージョン」は瞳がくっきりと見えています。
アルバム「フィアレス」 左 オリジナル 右 テイラーズ・ヴァージョン
アルバム「スピーク・ナウ」左 オリジナル 右 テイラーズ・ヴァージョン
アルバム「レッド」左 オリジナル 右 テイラーズ・ヴァージョン
ということでアルバム「スピーク・ナウ」の内容に行きます。
16曲の再録ヴァージョンと「from The Vault」と呼ばれる6曲の未発表曲が納められています。
曲ごとの解説は省きますが、大ヒットしたのは当然のようにいい曲がいっぱい詰まっています。
ちなみに日本でいえば干支が一回りしての再録です。テイラーの声質もプロ歌手を10年以上続けていますので、若干変わっています。でも本人が歌うから当然ですがうまくオリジナルに合わせています。
若い時は若い声なりの魅力がありますが、といってもまだ(もう?)30代前半なので特に違和感は感じません。
音質について
オリジナルはまだ若さで元気いっぱいという感じです。これはこれでいいと思います。
テイラーズ・ヴァージョンはここ最近のテイラー風の音作りです。聴いた感じオリジナルの高域のごちゃごちゃ感がなくなってすっきりしました。
しっとり感が出てHi-Fi度は上がっています。楽曲の良さが引き立ちます。
曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。
01, Mine (Taylor’s Version)
02, Sparks Fly (Taylor’s Version)
03, Back To December (Taylor’s Version)
04, Speak Now (Taylor’s Version)
05, Dear John (Taylor’s Version)
06, Mean (Taylor’s Version)
07, The Story Of Us (Taylor’s Version)
08, Never Glow Up (Taylor’s Version)
09, Enchanted (Taylor’s Version)
10, Better Than Revenge (Taylor’s Version)
11, Innocent (Taylor’s Version)
12. Haunted (Taylor’s Version)
13, Last Kiss (Taylor’s Version)
14, Long Live (Taylor’s Version)
15, Ours (Taylor’s Version)
16, Superman (Taylor’s Version)
17, Electric Touch (Taylor’s Version) (from The Vault)
18, When Emma Falls In Love (Taylor’s Version) (from The Vault)
19, I Can See You (Taylor’s Version) (from The Vault)
20, Castles Crumbling (Taylor’s Version) (from The Vault)
21, Foolish One (Taylor’s Version) (from The Vault)
22, Timeless (Taylor’s Version) (from The Vault)
ミュージシャン、エンジニアについてはかなりの人が関係しており、列記すると冗長となりますので割愛させていただきます。
ご興味のある方はWikipedia (ちゃんと寄付しました)の情報をリンクさせていただきますのでご参照願います。
https://en.wikipedia.org/wiki/Speak_Now_(Taylor%27s_Version)
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