“This is Country Music”
なんてシンプルで強い言葉なんだろうとつくづく感心します。
ブラッド・ペイズリーは1972年生まれで、まだカントリー レジェンド というような大物アーティストではありません。
デビューが1999年でやや遅咲きとも言えますが、カントリーの世界では十分若手です。
この紹介する「ディス・イズ・カントリー・ミュージック」は2011年にリリースされました。
というような歴史あるカントリー界ではまだ中堅どころ、というアーティストですが、本場アメリカでは売り上げもすごく、著名です。
28歳にしてかの「グランド・オール・オープリー」に招かれました。
聞いてみると、曲よし、歌よし、ギターが上手い、洒落っ気がある、でも敬虔である、など非の打ち所がないようなペイズリーさんなのです。
思わず世界にはまだこういう人がいたんだとびっくりする次第です。
でもここ日本ではまだかなりマイナーな存在です。
というかカントリーと言うだけで「あっ、すいません、だ・大丈夫です」と言う人も多いのです。
この人はかなりサザンロックよりでもあるんですけどね。
と言っても今更サザン・ロックなんてねえ、で終わってしまう話かも。
これじゃいくら曲のクオリティが高くても売れない訳ですわ。
でもカントリーへの入り口としても最適で、ギタリストも必聴です。
ブラッド・ペイズリーさんはギターを弾きながら歌うスタイルです。
カントリーピッカーの例に漏れずテクニックはかなりのものです。
ギターはもちろん、ギターアンプとかにもかなり凝ってそうです。(以前はZENNというメーカーのアンプでした)
ギターは名前にちなんでペイズリー柄のテレキャスターを弾きます。
そこにこだわるところにも好感が持てます。
アメリカのカントリーミュージックは未だ需要が高く、商品価値が高い状態です。
制作にもお金もかけられるので、音も高品質というところです。
曲については時代性もあるのでしょうが、昔ながらの “どカントリー” という伝統芸能的ではありません。今風です。
でもオルタナカントリーほどパンキッシュではなく伝統的なものへの敬意も感じられます。
サウンドはなんともロックよりで豊かな音です。
オールマン ・ブラザーズ・バンドやダイアー・ストレイツ、ブルース・スプリングスティーンあたりの影響を感じます。
それに加えてあまり重くないメロディアスな楽曲揃いなので非常に聞きやすいのです。
ゲストもシェリル・クロウやドン・ヘンリーです。
アルバム「ディス・イズ・カントリー・ミュージック」のご紹介です。
曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。
1, This Is Country Music ディス・イズ・カントリー・ミュージック
ドラマチックな展開で始まります。これ以上は望みようもないくらい素晴らしい楽曲と思います。自信があるのか開き直っているのか。といえば両方です。
2, Old Alabama オールド・アラバマ
(feat, Alabama)
サザンロックの雄、アラバマと競演です。なので当然(?)タフな男の世界です。アレンジがスマートなので汗臭さはあまり感じません。そこがブラッド・ペイズリーらしいところですかね。
アラバマの生活を歌っています。コルトレーンやシナトラやライチャス・ブラザーズは忘れちゃえという歌詞があります。
3, A Man Don’t Have To Die ア・マン・ドント・ハヴ・トゥ・ダイ
ミドルテンポでメロディアスに曲を歌い上げます。歌詞はシビアで追い込まれた男に地獄はあるけど、死ぬことはないと切々と語りかけます。
4, Camouflage カモフラージュ
軽快にギターで飛ばします。フィドルもいい感じです。
少年時代のよくある理想とのギャップを歌っているんでしょうか。
5, Remind Me リマインド・ミー
(feat, Carrie Underwood)
流れとしてはここら辺で出てくるべき安定のバラードです。ただのラヴソングですが、この人の曲はみんなメロディが際立っています。カントリーの歌姫、キャリー・アンダーウッドと共演です。
6, Working On A Tan ワーキング・オン・ア・タン
サーフミュージックみたいなギターフレーズで、日焼けをすることに夢中になっている女の子のことを歌います。
7, Love Her Like She’s Leavin’ ラヴ・ハー・ライク・シーズ・リーヴィン
(feat, Don Henley)
ドン・ヘンリーが参加しているからなのか、イーグルス的です。特にドンが歌い出したら。ペイズリーの歌唱力も相当です。
8, One Of Those Lives ワン・オブ・ゾーズ・ライヴス
この中にあってはわりと地味ですが、スティール・ギター が気持ちいい曲です。
9, Toothbrush トゥースブラシ
アコースティック・ギターで始まる軽いタッチの曲です。ここでもスティール・ギターが大活躍です。何気ない日常の大切さを歌っているのでしょうか。
10, Be The Lake ビー・ザ・レイク
アコースティックな感じで始まりますが、フィドルが盛り上げて次第に熱くなっていきます。
11, Eastwood イーストウッド
(feat, Clint Eastwood)
必殺のウェスタン調。イーストウッドの口笛も入ります。そういえばイーストウッドといえばジャズにも深い理解があります。最近映画「クライ・マッチョ」をまた見ました。イーストウッドの映画には賛否ありますが、なんだかんだ言っても男はイーストウッドが大好きなのです。歳を重ねても味わいがあります。
12, New Favorite Memory ニュー・ファイヴァリット・メモリー
カントリーバラードを切々と歌います。
13, Don’t Drink The Water ドント・ドリンク・ザ・ウォーター
(feat, Blake Shelton)
同業のブレイク・シェルトンと楽しんでます。ギターも攻めてます。
14, I Do Now アイ・ドゥ・ナウ
これも切々と歌うバラードです。
15, Life’s Railway To Heaven ライフズ・レイルウェイ・トゥ・ヘヴン
(feat, M15,arty Stuart, Sheryl Crow, Carl Jackson)
いつも最後は敬虔なクリスチャンの歌で締め括ります。
参加ミュージシャンは多いです。一応列記しておきます。
ブラッド・ペイズリー ヴォーカル 、ギター
ジェフ・クック リズムギター,コーラス
ランディ・オーウェン リズムギター、コーラス
ランドル・カリー スティール・ギター、コーラス
ゲイリー・フッカー アコースティックギター、リズムギター
マイク・ジョンソン ドブロ
ケンダル・マーシー バンジョー、マンドリン、コーラス
ベン・シーザー ドラム、コーラス
エリック・ダーケン パーカッション
ケヴィン・グラント アップライト・ベース
ジャスティン・ウィリアムソン フィドル、コーラス
クリント・イーストウッド 口笛
ゴードン・モテ ハモンドB3、ピアノ、ウーリッツァー
ジム・“ムース”・ブラウン ハモンドB3、キーボード、ピアノ、コーラス
キャリー・ベイリー ヴァイオリン
デヴィッド・デヴィッドソン ヴァイオリン
エリン・ホール ヴァイオリン
コニー・エリザー ヴァイオリン
メアリー・キャスリン・ヴァン・オズデール ヴァイオリン
パム・シックスフィン ヴァイオリン
ジム・クロージャン ヴィオラ
ベッツィー・ラム ヴィオラ
アンソニー・ラマルキナ チェロ
サリー・ライスト チェロ
*バックグラウンド・ヴォーカル
スザンナ・クランフォード
シェリル・クロウ
クリス・ドウィス
テディ・ジェントリー
タニア・ハンチェロフ
ドン・ヘンリー
ウエス・ハイタワー
ソーニャ・アイザックス
ラリー・ザ・ケーブル・ガイ
キンバリー・モートー
ハック・ペイズリー
ジャスパー・ペイズリー
ラッセル・テレル
キャリー・アンダーウッド(デュエット)
チャド・ウィーバー
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