「現在第一線で活躍するテイラー・スウィフトの2006年、16歳の時のカントリー・ポップなデビュー・アルバムです。」Taylor Swift : Taylor Swift / テイラー・スウィフト : テイラー・スウィフト

 2006年にデビューして今なお第一戦で活躍している歌姫、テイラー・スウィフトのご紹介をしてみようと思っていますが、なにぶん有名すぎるが故に「君は今さら何をほざいてんだ」、と言われそうな気もします。

私もデビュー当時は流行りを追いかける趣味もなかったので知りませんでした。
2010年を過ぎたくらいに「ティム・マックグロウ」を聞いて、素直にいい曲だなんと思った次第なのです。

遅ればせながらもアルバムを聞いてみてそのあまりの完璧さに驚いたものです。

16歳の女の子が自分で曲を書いて歌う・・・だけなら結構ありそうな話なのですがいきなり「ティム・マックグロウ」です。

一応説明しておきますと、ティム・マックグロウというのは日本ではあまり知られていないかもしれませんが、アメリカのカントリー・ミュージシャンでカントリー界の重鎮です。

1967年生まれなので私よりもちょっと若いくらいなのですがカントリー界では大ヒットを連発している大御所です。
奥様はこれまたカントリーの歌姫(最近はポップになりました)フェイス・ヒルです。

テイラー・スウィフトは高校1年生の時、授業中に曲のコンセプトを思いついて15分くらいで書き上げたそうです。

2004年生まれのテイラーは14歳の時にカントリーミュージックを研究したいとのことでペンシルベニアからテネシー州ナッシュビルに母と引っ越しました。

高校1年の終わり頃にはデビューアルバムのナンバーはほぼ書き終えてレコーディングも完了していたそうです。

そういうテイラー・スウィフトのデビュー作は、JKが中年のおっさんの名前をタイトルをつけて歌うという、ちょっとありえないような話でした。

よく「カントリーって日本で言えば演歌みたい飲もっんだよな」ということおっしゃる貴兄がいあらっしゃいます。

ということは「そうか、あいみょんが『北島三郎』というタイトルの曲を書いて歌ってデビューしたみたいなものだな」と思っていただければイメージしやすいかと思います。
(ちがう気もします)

カントリー・ミュージックというのはアメリカの田舎の方では根強い人気があり、トラック運転手などに向けてラジオでは頻繁に流されています。

ただしカントリーと言っても昔ながらのブルーグラスっぽものばかりではなく1970年代以降はサザン・ロックみたいなものやオルタナ・カントリーというニュー・ウェイヴを取り入れた新しい感じにもなってきました。

ブラッド・ペイズリーやフェイス・ヒルを聴くとサウンド自体はかなりロックよりに聞こえます。

なぜか傾向的にブルーグラス界の人は演奏テクニックを重要視するためか、若くてもロックの方のはよっていかない傾向があるようです。

ただこのファーストアルバム「テイラー・スウィフト」は伝統的なカントリーポップという感じでした。

しかも共作とはいえ全部自身で書いているのです。

これら全てをあえて計算ずくで演っているとしたら強か(したたか)なことこの上なく、末恐ろしいJKです。

当然、アメリカの片田舎のおっさんたちは全員ころっと騙され、我先にとアルバムを買い求めラジオにリクエストをし続けました。

と思ったらなんとテイラーはそういう枯れた層とは別に、もっと大きな影響力を持つファンを獲得することになります。

世界中のティーンエイジャーの女の子にも絶大な支持を受け、音楽のみならず生き方やファッションアイコンとしても存在感を示すようになっていったのでした。

結果、デビューアルバムはアメリカのカントリーチャートでは24週間1位を獲得、ビルボード200でも2000年代最長のチャートイン記録を樹立しました。

またアメリカレコード協会( RIAA)からプラチナ認定を受けたデビュー・アルバムにおいて「全曲を作詞または共作した初の女性カントリー・アーティスト」となった次第です。

テイラー・スウィフトはその後、アメリカでプラチナ設定×8倍という認定を受けています。
(アルバム、シングルの売り上げおよびストリーミング再生が100万回を超えてプラチナ認定です)

2022年にローリング・ストーン誌は「史上最高のデビュー・アルバム100選」にこのアルバムは選出されています。

そこまで行ってやっと私は知った次第です。

カントリー・ミュージックに造詣が深い人の中にはややヴォーカルが弱いとか音程が不安定である、などとおっしゃる方もいたようです。

最近の音楽制作ではピッチシフトなどを使って、レコーディングした後に完璧に音程を合わせることがポップスなどでは当たり前になっています。
しかしここではテイラーはあえてそういうことはしなかったそうです。

若干歌が弱くて不安定な方が逆に新鮮さが出る場合もあります。
ベテランの歌手がいろんなテクニックを使ってコッテリと歌うより、アマチェアがただ一生懸命に歌う方がメロディが新鮮に響き胸を打つことがままあります。

この末恐ろしいJKはそういうことまでちゃんと計算していたに違いありません。
(本人の意思かどうかはわかりませんが)

アメリカでは昔から女性シンガーがカントリーミュージックの世界でデビューして成功するとポップスに移っていくルートが一つの定番としてありました。

オリビア・ニュートン・ジョンとかディキシー・チックスとかシャナイア・トゥエインとかみんなそうです。
特にディキシー・チックスの面々は演奏能力も高いため、勿体なかった気がします。

カントリーばかり演っていても音楽的に成長できない、変わっていかなきゃすぐ飽きられる、と思うのと同時にビジネス的にいろんな渦に巻き込まれるのかもしれません。

カントリー・ミュージックでデビュー、大ヒット、アルバム2、3枚をリリースしてポップスへ転向、というアメリカンポップスの王道ですが、テイラー・スウィフトもその道を辿ることになります。

付録としてアメリカの田舎に根付いているカントリー・ミュージックはそのまま政治的には共和党支持者が多いようなのですが、ポップスへ転向と同時に民主党支持となるのもセットみたいです。(若干闇を感じます)

テイラー・スウィフトのカントリー時代と言われる4作目「Red」までは見事なカントリーポップが凝縮されていてそういう意味での聞き応えがあります。

ちなみに名前の「テイラー」は両親がジェームス・テイラーのファンでそこからとったとのことです。またテイラーがカントリーに興味を持ったのはフェイス・ヒルの存在が大きいそうです。

そして今ではテイラー・スウィフト自身もそういう存在になっているのです。

そしてこの「テイラー・スウィフト」の「テイラーズ・バージョン」の制作はちょっと無理かなと思う今日この頃です。

アルバム「テイラー・スウィフト」のご紹介です。

Amazon.co.jp: テイラー・スウィフト: ミュージック
Amazon.co.jp: テイラー・スウィフト: ミュージック

制作

  • テイラー・スウィフト 
    リードボーカル、バックボーカル、作詞作曲、アコースティックギター
  • ネイサン・チャップマン 
    アコースティックギター、バンジョー、ベース、ドラム、エレキギター、エンジニア、バックコーラス、マンドリン、プロデュース
  • スコット・ボルチェッタ 
    エグゼクティブプロデューサー
  • チャック・アインレイ 
    ミキシング
  • ジェフ・ボールディング 
    ミキシング
  • ブルース・ブートン 
    ドブロ
  • マイク・ブリニャルデロ 
    ベースギター
  • ニック・ブダ 
    ドラム
  • ゲイリー・ブルネット 
    エレクトリックギター
  • ジェイソン・キャンベル 
    制作コーディネーション
  • チェイソン・カールソン 
    エンジニア
  • アーロン・チミエレウスキー 
    アシスタントエンジニア
  • エリック・ダーケン
    パーカッション
  • アレン・ディットー 
    エンジニア
  • ダン・ダグモア 
    ペダルスチール
  • シャノン・フォレスト 
    ドラム
  • ロブ・ハジャコス 
    フィドル
  • ゴードン・ハモン 
    アシスタントエンジニア
  • トニー・ハレル 
    キーボード
  • ジェフリー・ハイド 
    バンジョー
  • スコット・キッド 
    ミキシングアシスタント
  • グレッグ・ローレンス 
    ミキシングアシスタント
  • アンディ・レフトウィッチ 
    フィドル、マンドリン
  • リアナ・マニス 
    バックコーラス
  • ティム・マークス 
    ベース
  • ロバート・エリス・オラル 
    バックボーカル、プロデューサー
  • レックス・プライス 
    マンドリン
  • リー・アン・レイミー 
    グラフィックデザイン
  • ジョシュア・ウィットモア 
    ドブロ、ペダルスチール
  • クラーク・シュライヒャー 
    エンジニア
  • スティーブ・ショート 
    アシスタントエンジニア
  • サンディ・スピカ・ボルケッタ 
    スタイリスト
  • ホイットニー・サットン 
    制作コーディネーション
  • イリヤ・トシンスキー 
    アコースティックギター、バンジョー
  • ワンダ・ヴィック 
    フィドル
  • ハンク・ウィリアムズ 
    マスタリング
  • ジョン・ウィリス 
    バンジョー、マンドリン、ハイストリング・アコースティックギター

曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。

1,   Tim McGraw ティム・マックグロウ
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ)

通常はアップテンポのノリの良いナンバーで始まるのが普通ですが、このバラードから始まるところにいろんなことをを感じさせます。
ノスタルジックな曲調ですが、カントリーでよく使われるコード進行らしいです。
別れた恋人にティム・マックグロウのバラードを聴いたら私を思い出してという内容です。

2,   Picture to Burn ピクチャー・トゥ・バーン
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ)

バンジョーが印象的なアップテンポのナンバーです。
今度は写真を燃やしてしまえと歌います。多分同世代にはこちらの方がマッチしていると思われます。四枚目のシングルカットされたナンバーです。

3,   Teardrops on My Guitar ティアドロップス・オン・マイ・ギター
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ)

タイトルが全てを物語っているバラードです。
「ティム・マックグロウ」に次いでシングルカットされました。

4,   A Place in This World ア・プレイス・イン・ディス・ワールド
 (テイラー・スウィフト、ロバート・エリス・オーラル.アンジェロ・ペトラグリア)

バラードとアップテンポの曲を交互に入れてきます。
アップテンポながらしみじみとした感覚も持っているナンバーです。

5,   Cold as You コールド・アズ・ユー
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ)

しっとりと歌い上げるバラードです。
フィドルが印象的なナンバーです。

6,   The Outside アウトサイド
 (テイラー・スウィフト)

アップテンポで完璧な流れでございます。うまくできております。

7,   Tied Together with a Smile タイド・トゥギャザー・ウィズ・ア・スマイル
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ)

ペダルスティールとフィドルでカントリーっぽさ満開です。
あえてコブシを使わない歌い方はかえって新鮮です。

8,   Stay Beautiful ステイ・ビューティフル
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ)

カントリーの物語性を感じさせます。
バックは典型的なカントリーの伴奏となっています。

9,   Should’ve Said No シュドゥヴ・セッド・ノー
 (テイラー・スウィフト)

サビのフレーズから始まるナンバーです。
トーキング的な歌い方で表現力も十分あると思います。
五枚目のシングルとしてリリースされました。

10,  Mary’s Song (Oh My My My) メアリーズ・ソング
 (テイラー・スウィフト、リズ・ローズ、ブライアン・マーハー)

曲調からして物語を感じさせます。ドラマチックに展開します。

11,  Our Song アワ・ソング
 (テイラー・スウィフト)

テイラー単独作でこのナンバーはあまりカントリーに寄せていません。次から変わっていく宣言とも取れます。
この曲も三枚目のシングルカットとなっています。

デラックス・エディションではこの後

12,  I’m Only Me When I’m with You
13,  Invisible
14,  A Perfectly Good Heart
15,  Teardrops on My Guitar (Pop Version)

と続いていくのですが、全曲クオリティが高く、捨て曲無しです。
ほんと、完璧なアルバムだと思います。

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