05.オーディオケーブル考

 実際に感じていただくしかないのですが、オーディオ接続ケーブルはある域に行くと重要なんです。

ある程度まとまった機材があって、音楽を再生します。
この時、電源ケーブルや接続ケーブル、インシュレーターなどは再生音に対して重要なファクターとなります。
特にケーブルで音は変化するんです。

というと一般の方はそういうのはきっとオカルトか都市伝説のたぐいで、そしてこんなことを平気で言う奴は絶対に近寄ってはいけない種類の人間だと警戒されるかもしれません。

じゃあ何、君は照明のあかりはケーブルによって色や明るさが変わるとか、PCのダウンロード速度は電源ケーブルによって変わると言いたいのか。

いいえ違います。

テレビの色や音も電源ケーブルや接続ケーブルで変わるというのか。

あ、それ、もしかしたらちょっと変わるかもしれません。

という世界なんです。

音や色とか味とかについては人間の感覚が非常に発達している部分で、微妙な違いを数値的なものより敏感に判断するものと思われます。特に音については体に伝わる情報量が少ないのでより敏感なのかなと。

ただし世の中にはものすごくキャラが立っているオーディオ機器もあります。そういうアンプやスピーカーは個性が強すぎて、接続ケーブルの違いなんぞ軽く凌駕するという側面があります。

緻密で繊細で、環境によって実力発揮できるパーセンテージが違ってくる機材(オーディオ機器の場合はほとんどそれです)は接続ケーブルや環境、電源事情などの要因で音が変化します。色々と気を使ってあげなければ好みの音にはなりません。

ほほう、ではキャラが立ってるスピーカーは繊細ではないのか。という人間に例えたような反論もあるかと思われますが、とりあえずそれは置いておきます。


アナログケーブルについて

音が出る、聞こえるのレベルでは関係ありませんが、聴いて感じる音はケーブルによって変わります。
アナログケーブルの種類、価格差はすごく開きがあります。ラインケーブル、スピーカーケーブル、電源ケーブルなどは各ケーブルで同じ動作で同じ特性であるにもかかわらず1メートルあたり数十円から数万円という開きがあります。
私の場合、あまり高いケーブルを使ったことはありません。言うならアメリカ、イギリス産の音楽が好きなのですが、そのせいかなぜかBELDEN、VITALのラインケーブルの音が好きです。
電源ケーブル、スピーカーケーブルもせいぜい数千円のものです。
ハイエンドオーディオではなくリアルオーディオを目指すのであれば、それくらいでも結構遊べます。

デジタルケーブルについて

デジタル信号についてはその昔、デジタル信号とは全く同じデータを機器間で伝送することになるため、ノイズも関係なくデータの変化はあり得ない。
よってデジタル信号の段階で音質変化は理論上発生しない。とまことしやかに言われました。

確かに理論上はそうなるのですが実際は接続するLANケーブル、USBケーブル、光ケーブル、同軸ケーブルのメーカーや製品の違いによって聴感上の音は変化しています。これは測定器を使って数値で表せる範囲ではないのです。

なぜ音が変わるかについて

測定値とかではなかなか証明できる範囲ではないので、正確に言えませんがアナログケーブルについては、言うなら素材、長さ、太さの違いによるインピーダンス、リアクタンス、キャパシタンスの動特性に与える影響、総合的なフィルタリングとか、・・・でしょうか。

苦し紛れに言っておくと、デジタルケーブルについては機器間接続によるデータの反射とか振動により・・これも動特性上・・・うわぁやばい、これもう無理。ごめんなさい。

一つだけ言えることは伝送経路の測定数値(周波数特性、歪率、S/N)がよければ、もしくは高い素材の高級ケーブルであれば「音楽的に、オーディオ的に素敵な音」かどうかは微妙なところです。そこには各個人の嗜好が関係します。

20代の頃に持っていたエレキギター を最強のエレキギターに変えようと、マイク以外の電気回路のアース、配線、電気パーツをものすごくゴージャスにしてみたことがあります。
で、さんざん苦労して出てきた音は・・・それはそれは非常につまらない音でした。褒めるところはノイズが少なくなったことくらい。

ハイインピーダンス回路のエレキギターはチープな配線、豊富なノイズも含めて鳴る楽器なのです。あの音なのです。
電気特性は悪いかも知れませんが「素晴らしき楽音」としてはそれで正解なのです。

と言うことで好きな音を求めるには、高いケーブルや機材は関係ないと・・・・はい、もうただのヒガミです。きっとそれぞれ金額に見合ったポテンシャルはあると思います。

以上。

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