03.わたくし的オーディオ感

 音楽を聴くのが大好きなのです。いつまで経っても飽きません、やめられませんという私なのです。そうかそうか、そうまでいうなら「さぞかしものすごい高価で立派なオーディオ装置」を持っているのだろうなとお思いでしょう。

ですが申し訳ありません。そんなに総額何千万円にもなるような高価なものは持っておりませぬ。

でもそれなりに低予算でも高音質を楽しめる時代になりました。

振り返れば、1990年代くらい迄はオーディオで誰もが認めるような素晴らしい音を再生するには、それなりの金額を出して高価なアナログ機材を手に入れることが必須でした。
90年代と言えばすでにCDもデジタルオーディオも出現しており、それなりに浸透していたのですが、まだまだ完成されたアナログ装置の再生音に比べると、音の良し悪しなど評価できる状態ではありません。

CDに代表されるデジタル音はカタい、ツメたい、イタい、ツラいなどと言われていました。
ジャズ喫茶などに代表されるような、再生芸術を極めた装置の前では、いかんせんデジタルの薄っぺらい音では話にもなりません。

本格的にデジタル音がオーディオとして認められたのは、スタジオでPCが当たり前に使用されサンプリング周波数も98kHzや192kHzになり、CDフォーマット(44.1kHz、16bit ) 以上のスペックのハイレゾ音源も手に入るようになってからだと思います。
と言っても私は「だから音はハイレゾじゃなきゃあ」なんていうつもりは毛頭ありません。エンジニアさんの努力により44.1kHz、16bit というフォーマットは44.1kHz、16bit なりの良さがあると思っています。
というか最初の録音現場からデジタルであれば最終はCDのフォーマットで十分と感じます。

そして気がつくと、ある時期からCDプレイヤーで聴くことも無くなりました。基本的に全部リッピングしてNASサーバーにデータを集めて聞いています。

リッピングするデータもWAV、FLAC、AIFF、MP3などの形式があります。音にこだわるならその中でも可逆圧縮と言われる元のデータと比較して遜色のないものにすることが望まれます。
WAVはデータ領域全てを均等にデータ化しているみたいでやたらとデータ量が多くなります。FLAC・・・うーん、などといろいろ試した結果、私のメインは非圧縮のAIFFに落ち着きました。

アップルさん、末長くよろしくお願いします。無くさないでね。

MP3などの非可逆圧縮データ(流石に全部ためしたことはありませんが)については原音と比較すると音が違います。どう違うかといえば、一番目立つのは中域の密度が失われたように感じることです。

「聞く」のなら問題ありませんが「聴く」のならやっぱり非圧縮かな。と思う次第です。

私がデジタルオーディオに目覚めた、というか本格的に軸足を移したのは1990年代後半になります。その頃ジャズ界で有名なレコーディングエンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダー氏がブルー・ノートレーベルで録音した1500番台、4000番台の名盤を自らリマスターし始めました。

氏はあるインタビューで「ブルーノートの作品は自分の手でリマスターしたかった。デジタル化することによってスタジオのモニタースピーカーと自宅のリスニングルームのスピーカーがが直結できるんだ。これは素晴らしいことだよ」とおっしゃたのです。

そうか、デジタル音源をスタジオと同じ機材で聴けば、それがアーティストやプロヂューサーが一番表現したかった音なんだ。と思った次第です。

以後、基本的にその考えは変わっておりませぬ。

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