プログレッシブ5大バンドと呼ばれるグループがありました。
キング・クリムゾン 、ピンク・フロイド、イエス、EL&P、ジェネシスです。
もちろんこの手の話は主観的なもので人によって違います。
でもネームバリューとセールス面から真っ向否定もできず、次点でジェスロ・タルとかマイク・オールドフィールド、ムーディ・ブルースなどと続きます。
中でもキング・クリムゾン の評価は高く、知的とかジャズを取り込んで技巧的とか言われています。
基本的にキング・クリムゾン とはバンドの主宰であるロバート・フィリップのユニットのことです。
今では、というより昔からロバート・フィリップ=キング・クリムゾン というのが常識化しています。
プログレッシブ・ロック(略してプログレ)の世界はコアというかカルトなファンが多く、ジャーマン・プログレやイタリアン・プログレまで追い込まないと真のプログレファンとは言えないという風潮があります。(もちろんついて行けていません)
そういう人の中でも1969年リリースの「クリムゾン ・キングの宮殿」は特別な存在です。
初めてプログレッシブ・ロックの芸術性、革新性を見せつけた作品で、プログレ・ファンにとっての経典です。
ロックファンには「クリムゾ」の「宮殿」で通ります。
そういうコアなファンのみならず、普通のロックファンにも人気が高く、私も高校生の頃から相当聴き込みました。
私が好きなのは叙情派クリムゾン とでもいうべき74年リリースの「レッド」までです。
「ディシプリン」や「パワー・トゥ・ビリーヴ」も持ってはいますがほとんど聞いていません。メタル・クリムゾン はまだ未開です。
「宮殿」の雰囲気を決定づけている楽器がメロトロンです。
構造は簡単にいうと、キーボードの各鍵盤の動きに対応する形でアナログテープの音が再生されるというとってもメカニカルで複雑な構造を持つ楽器です。
鍵盤の数だけ大量のテープレコーダーが集まっていると思えば、いかにとんでもない楽器かがわかっていただけると思います。
(現代のサンプリング技術を持ってすれば容易いことですけど。)
メロトロンの紹介動画をリンクさせていただきます。
最近のリマスタリングではドラム。ギター、ピアノ、菅楽器などの音がよりリアルになるようにアップデートされる傾向にありますが、メロトロンの場合は元がアナログテープの音なのでヴィンテージな雰囲気は隠せないのかも知れません。
というわけでこのモンスターアルバムをご紹介いたします。
演奏
ロバート・フリップ ギター
グレッグ・レイク ヴォーカル、ベース
イアン・マクドナルド キーボード、サックス、メロトロン、コーラス、管楽器、ヴィヴラフォーン
マイケル。ジャイルズ ドラム、パーカッション、コーラス、オルガン Tr.5
ピート・シンフィールド 作詞、照明
曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。
1, 21st Century Schizoid Man 21世紀の精神異常者
(Including “ Mirrors”)
不穏な音とメチャ歪んだギターにマーシャルのギターアンプにマイクを突っ込んだようなひしゃげたヴォーカルで始まります。
途中からリズムも変わってただのロックンロールでは無くなります。
インパクト十分、つかみはOKです。
2, I Talk To The Wind 風に語りて
一瞬牧歌的な始まります。メロディアスですがなんか明るくはありません。メロトロン大活躍です。
3, Epitaph 墓碑銘
(Including “ March for No Reason” and “ Tomorrow and Tomorrow”)
重く、暗く、綺麗な曲です。これぞクリムゾン 。
4, Moonchild ムーンチャイルド
(Including “ The Dream” and “ The Illusion”)
引き続き如何にもクリムゾン 的というか西洋風退廃のムードがあります。
サウンドもギミック満載で、こういうのがアルバム「暗黒の世界」あたりまでは出てきますがデビューアルバムでこういうギミックを入れるのも相当自信があったのでしょう。
5, The Court of the Crimson King クリムゾン ・キングの宮殿
(Including “The Return of the Fire Witch” and “ The Dance of the Puppets”)
初期クリムゾン の最も有名で、壮大な曲です。もう浸っているしかありません。
2023年現在、まだ正式にロバート・フリップによる解散表明などはされていません。ここ10年以上はスタジオアルバムのリリースはなく、ライブ主体でした。でも2022年のインタビューでクリムゾン のライブはオリンピックアスリート的な修練が必要なので、もう歳だからツアーはできないと答えています。
ここでクリムゾの活動は終わっても創造された音楽は永遠に残っていきます。
ほんとうにお疲れ様でした。
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