ブルーズの偉大なるキング、B.B.キングのライブアルバムの紹介です。
B.B.キングはライブもエキサイティングで評判が良く、特に1965年から1970年代初頭あたりは年1枚ペースでライブ盤をリリースしています。
この時期のライヴが「Live at the Regal」「Blues Is King」「Live in Cook County Jail」です。3枚とも素晴らしい瞬間が記録されています。
今回紹介するのは「Live in Cook County Jail」です。
このアルバム「ライブ・イン・クック・カウンティ・ジェイル」は1971年にリリースされた、B.B,キングの1970年9月10日の刑務所慰問コンサートのライブです。
同じく刑務所での実況録音を先にアルバムにした人にカントリー界の無法者、ジョニー・キャッシュがいます。
参考までに、キャッシュの場合は刑務所ライブが2作リリースされています。「フォーサム・プリズン」が1968年、「サン・クエンティン」が1969年とB.B.より前になります。
B.B.キングもジョニー・キャッシュもこの犯罪者集団を前にした(改心してるって)特殊なイヴェントをビジネスと割り切って軽く流すのではなく、というよりいつも以上に気合いを入れて演っているところに好感が持てます。当然、観客の反応もすごいです。
二人ともに刑務所ライブが代表的名盤となっています。
WIKI情報では、このイヴェントの経緯は1970年、刑務所の看守ウインストン・ムーアがB.B.に刑務所の中庭でのコンサートをリクエストしました。B.B.は快諾し、ABCレコードは録音機材を持っていくように指示します。
この刑務所の囚人は 70~75%は黒人または少数民族で、ほとんどが10代から20代だったそうです。刑務所の職員は元ボクサーなどのボディガードを追加で雇い、中庭には踊るためのスペースも用意されました。
B.B.キングも並々ならぬ決意で望んだことが伺えます。
そして観客への愛情溢れる語りも入っています。
アルバム「ライブ・イン・クック・カウンティ・ジェイル」のご紹介
演奏
B.B.キング ギター、ヴォーカル
ウィルバート・フリーマン ベース
ソニー.フリーマン ドラムス
ジョン・ブローニング トランペット
ルイス・ハバート テナーサックス
ブッカー・ウォーカー アルトサックス
ロン・レヴィー ピアノ
曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。
1, Introductions イントロダクション
サウンドチェックとともに女性刑務官(だと思う)のアナウンスが入ります。
拍手とブーイングも聞こえます。
2, Everyday I Have The Blues エブリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルーズ
アナウンスの後、間髪入れずに早めのリズムで始まります。ホーンも加わったゴージャスなモダン・ブルーズの始まりです。
3, How Blue Can You Get ? ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット?
切れ目なく今度はスローブルーズが始まります。お客さんを集中させるためにわざとボリュームを抑えたりします。
ギターソロの途中でブレイクがありフィードバック奏法によるすごいロングトーンのギターが聞こえます。音数は少ないものの熱量が半端ないです。
客席も興奮しています。
4, Worry, Worry, Worry ウォリー、ウォリー・ウォリー
さらにギターで語りかけるようなブルーズです。
5, Medley : 3 O’clock Blues, Darlin’ You Know I Love You メドレー 3オクロック・ブルーズ、ダーリン・ユー・ノウ・アイ・ラヴ・ユー
B.B.が今度は声で語りながら歌います。
6, Sweet Sixteen スゥイート・シックスティーン
初期の十八番です。いかにもなB.B.キングらしい素晴らしいブルーズ です。前曲の「ダーリン・ユー・ノウ」もそうですが歌手としても相当です。
7, The Thril Is Gone ザ・スリル・イズ・ゴーン
これもアーバン・ブルーズを象徴するB.B.の代表曲です。ギターソロも普通のブルーズ とは違いますがじっくり聴かせます。最後はゴリ押しのフレーズで終わります。
8, Please Accept My Love プリーズ・アクセプト・マイ・ラヴ
ソウルフルな歌唱です。曲が終わって最後はアップテンポの舞台転換フレーズでショーの終わりを告げています。
最初にも触れましたがB.B.キングのライブは他に有名な「Live at The Regal」や「Blues Is King」があります。
こちらも観客の盛り上がりがすごく、なぜあんなに人気があって、ブルーズの王様として君臨できたかを実感できます。これぞプロフェッショナルという必聴のライブアルバムです。
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