今回は100万ドルのギタリストと鳴物入りで登場した、テキサスブルーズマン。ジョニー ・ウインターの「Nothing But The Blues」の紹介です。
ジョニー・ウインターのイメージそのものといった感じの秀逸なアルバムジャケットです。
ジョニー・ウインターは音楽を演るために生まれてきたような男です。
1944年2月23日、テキサス州ヴァーモントに生まれました。
本名はジョニー・ドーソン・ウインター・Ⅲ世です。
父親も兄弟もミュージシャンという音楽一家に育ちました。15歳の時からすでにミュージシャンとして活動しており、レコーディングも始めていました。
1969年に大手コロンビアと契約してメジャーデビューすることになります。
その時には演奏技術も含めて相当業界では有名になっており、当時としては破格の契約金で契約しました。
実際は60万ドルだったのですが、その噂が広まって「100万ドルのギタリスト」という異名を持つこととなります。これでもう「ツカミはOK」です。
アルバムジャケットはトライコーンのレゾネーターを抱えていますが、ジョニー・ウインターといえばトレードマークはギブソン ファイアーバードです。
ブルーズ、ロックギタリストとして活躍し2014年7月16日に70歳でご逝去されました。
上、ナショナル トライコーン レゾネーターギター
下、ギブソン ファイアーバード
生まれつきアルビノと言われる皮膚の色素異常で、真っ白の皮膚の色でした。弟のキーボード奏者 、エドガー・ウインターも同じです。
17,000人に一人と言われる確率で発生するようで、かくいう私も小学校時代に一人友達にいました。
そういうハンディがある人は往々にして生存率が低くなると言われます。ジョニーも1990年位から徐々に体力の衰えが見られるようになりました。
後年は愛用のギター「ファイアーバード」が持てなくなって座って演奏していました。
確か80年代後半くらいにスタインバーグを使用していました。流行っていたこともありますが身体への負荷を考えてのことだったのかもしれません。
でも最後まで音楽への情熱は衰えませんでした。
テキサスブルースマンといえばもう一人、スティービー ・レイ・ヴォーンがいます。
二人とも一見豪快でバーボンをかっ喰らいながらステージに立つ、というようなイメージです。
ジョニー・ウインターも最初に頭に浮かぶのは “やったるでぇ” という感じで「ロックンロール・フーチ・クー」や「追憶のハイウェイ」を演奏している姿です。
でもインタビュー記事とかをとかを見てみると逆に音楽に対する真摯な姿勢が感じられます。
レイ・ヴォーンもウインターも根っからのギター弾きの人生なのです。
他のブルーズマン、ミュージシャンに対しても同様で、マディ・ウォーターズが1983年に亡くなるまで、献身的にサポートしていました。
このアルバムを最初に聞いた時、ジョニー・ウインターの他のアルバムと比べてリズムが後乗りだと感じました。それもそのはずバックは本場のマディ・ウォーターズ・バンドです。
ジョニー・ウインターはロックンロールギターのイメージも大きいのですが、このアルバムを聴いて「やっぱりブルースマンだ」と思いました。彼のアルバムを全て知っているわけではありませんが、デビューアルバムとこの「Nothing But The Blues」が1番のお気に入りです。
アルバム「ナッシング・バット・ザ・ブルーズ」のご紹介です。
演奏
ギター、ボーカル ジョニー・ウインター
ボーカル マディ ・ウォーターズ
ギター ボブ・マーゴリン
ブルースハープ ジェイムス・コットン
ベース チャールズ・キャルミーズ
ドラムス ウィリー・’ビッグアイズ”・スミス
ピアノ パイントップ・パーキンス
曲目
*参考としてyoutube音源と最後部にジョニー・ウインターの動画をリンクさせていただきます。
1, Tired Of Tryin’
ミドルテンポのブルースで始まります。
2, TV Mama
ドブロギターのスライドです。ジャケットのトライコーンと思われます。
3, Sweet Love And Evil Woman
軽快なシャッフルリズムでたたみかけます。
4, Everybody’s Blues
スローテンポのB.B.キングのような味わいです。
5, Drinkin’ Blues
テンポのノリアップの良いブルース です。
6, Mad Blues
スィートホーム シカゴのスタイルです。
7, It Was Rainin’
アルバム1番のスローブルース ギターソロが泣いています。
8, Bladie Mae
ドブロのスライド再登場、ギターが歌います。
9, Walkin’ Through The Park
最初はマディがメインボーカルをとります。面白いリズムです。ジョニーのギターが崩壊寸前まで突っ込みます。セッションの良い雰囲気が伝わります。
黒くないブルースもいいものです。
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