「怖いくらいの濃いエキスとなったジェームス・ブラウンの歴史をまとめたベスト盤、ほとんどがR&Bチャート1位となった珠玉の20曲です。」20 Alltime Greatest Hits : James Brown : 20・オールタイム・グレイテスト・ヒット : ジェームス・ブラウン

 前から常々これはすごいと一目おいていたジェームス・ブラウンのアルバムに「イン・ザ・ジャングル・グルーヴ」というファンクの名盤があります。
いざこの紹介をしようと思って、「さあ、この後悔と反省に満ちた表情の収監された囚人をご覧ください。顔つきからして非常に凶暴そうです。あっ、失礼しました、囚人ではありません。この人こそ 『ファンクのゴッドファーザー』として君臨した偉大なるジェームス・ブラウン様にございます。」と書いたまではいいのですが、何せあのコッテコテ、肉体ファンクの巨匠ジェームス・ブラウンの世界です。

このワンコード、ワンフレーズを繰り返すファンキーチューンを奏でながら脳内麻薬を投下して、ファンクの泥沼に誘い込むアルバムをいきなり聴いてもらうべきなのか。
と思った時、いきなり究極を見せるより、その過程の素晴らしさから話した方がよりわかりやすい、楽しめるのではないかという思いに至りました。(勝手な思い込みです)

ジェームス・ブラウンとは誰もが知っているビッグネームです。
といいつつも2006年に亡くなられてからもうすでに20年過ぎようとしています。
人が生まれてから成人するまでの期間が過ぎてしまった以上、今の若い人にはジェームス・ブラウンといっても目立って尖った部分しか情報として入っていないのかもしれません。

きっと「ゲロッパ、ゲローダー」とかいいながら見た目も暑苦しく、しかも強引で無理やり力技で自分の世界に引き連れていくパワハラ親父、いやむしろ人類の進化の過程の人にしか見えないと思います。
(偏見です)

しかし、この人一旦魅力がわかってしまうと真の天才であり、ブラックミュージックの帝王です。
音楽については、特に体で感じる音楽衝動の根源は全(すべ)からくしてこの人にあるのではないかと思ってしまいます。

もしこの人がいなければファンクもテクノもニューウェイヴもラップもヒップホップなかったのでは・・・と真剣に考えさせられます。

1980年代以降の打込み、サンプリングのリズムについては見方を変えれば単なる帝王JBへの敗北宣言なのです。(見事に勝手な解釈です)

ということで本題に入らせてもらいます。


ご紹介するのは彼の生涯の作品を20曲に絞ったベスト盤です。

ほら、出たよ。安直にベスト盤なんて勧めてくるやつは信用できるか。
とお思いの貴兄、貴姉も大勢いらっしゃると思います。
私も以前はベスト盤なんぞ勧めてくるやつなんざ、結局上っ面しかわかっていなくて信用できん、と思っていました。

でもファンクの帝王の足跡にはゴスペルとはなんぞや、R&Bとはなんぞや、ソウルとはなんぞや、そしてファンクとはなんぞやの解答がまさにこれだ!というのが体験できます。

特にファンクにおいては帝王の見せる世界に触れてしまうと、他のバンドは全て亜流に見えてしまいます。
でも亜流もいいものですけどね。
例えば職人さんが握るお寿司が究極に美味いと思っても、別にコンビニの助六寿司もそれなりに美味しいものです。
専門店のカレーは確かにに美味しいけれど、お家で作るハウス・ジャワカレーも負けないくらい素晴らしい美味しさがあります。
ラーメンも・・・もういいか。
だんだん自分でも訳がわからなくなってきたので話を戻します。

ジェームス・ブラウンの音楽活動は少年院でのゴスペルグループに加わるところから始まりました。
そしてソウル、R&Bでヒットを飛ばして、最終的には誰もが到達し得なかったファンクの頂点に君臨しました。
貧困の家庭に生まれ、差別の中で育った男ですので聖人ではありません。人間的には問題ある部分もあると感じます。
まさに人間界に突如落とされた「異物」というか「怪異」というか。(褒めてるつもりなんですけど)

そのジェームス・ブラウン・ミュージックのエッセンスが20曲に収められている聖典(アルバム)がこれです、というご紹介です。

メディアにこだわればCDでも、音質にハマればハイレゾ配信でも入手可能でございます。
CDオリジナルは1991年リリースですが現在入手できるものはそれなりに音質もアップデートされていると思われます。

私の持っているのは2020年に配信されたハイレゾの192kHz,24bitの音源です。
これがまたなかなかの音質でベースなんかも今までのものよりリアルで音の輪郭がはっきりしていて立体的に聞こえます。
欲を言えばこのダサいジャケットデザインはなんとかならんか、思い込みと尊敬と愛情が足りん、といいたいところですがもうしょうがありません。

以前のベスト盤に「The CD of JB : Sex Machine & Other Soul Classics」というのがあって名曲「Bewildered」なども収録されていました。
こういうのも入れて欲しかったのですが、これはもう無いものねだりとなります。

しかしながらJBを知るのに必要な曲はほぼ網羅されており今の所、一番お勧めできるベスト盤となっております。

これをきっかけにどっぷりと泥沼に浸かって、定期的に「イン・ザ・ジャングル・グルーヴ」などのJB流ファンクを聞かないと心が、体が、魂がリセットできない、というような体になっていただきたいと思います。

アルバム「20 オールタイム・グレイテスト・ヒッツ」のご紹介です。

Bitly
Amazon.co.jp: イン・ザ・ジャングル・グルーヴ: ミュージック
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演奏は大きく分けてこちらの皆様

曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。

1,    I Got You (I Feel Good) アイ・ガット・ユー
 (ジェームス・ブラウン)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

ロン・トゥーリー — トランペット
ジョー・デュパーズ — トランペット
レヴィ・ラズベリー — トロンボーン
マイク・リドリー — トランペット
ナット・ジョーンズ − アルトサックス、ハモンドオルガン
セントクレア・ピンク テナーサックス
エルディー・ウィリアムズ – テナーサックス
アル・ブリスコ・クラーク – テナーサックス
メイシオ・パーカー— アルトサックス
ジミー・ノーレン— エレキギター
デビッド・フックス・ウィリアムズ – ベースギター
メルヴィン・パーカー— ドラム

1965年10月リリース、ビルボードチャート3位まで上昇しました。
元は1964年のアルバム「アウト・オブ・サイト」に収録されていましたが翌年、別テイクでシングルカットされました。
いろんなところで使用されている曲で、誰でも耳にしたことがあるのでは、と思われる名曲です。
1965年、キングレコードのオーナー、シド・ネイサンがJBと一緒にマイアミのクライテリア・スタジオを訪れて特注の8チャンネル・コンソール(ミキサー)の音に感銘を受けてJBの録音を企画したそうです。

2,   Get Up (I Feel Like  Being a) Sex Machine セックス・マシーン
 (ジェームス・ブラウン、ボビー・バード、ロン・レンホフ)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル、ピアノ

クレイトン・“チキン”・ガネルズ – トランペット
ダリル・ハッサン・ジェイミソン – トランペット
ロバート・マコロー – テナーサックス
ボビー・バード – ハモンドオルガン、ボーカル
フェルプス・“キャットフィッシュ”・コリンズ– ギター
ウイリアム・“ブーツィー・コリンズ” – ベースギター
ジョン・“ジェイボ・スタークス” – ドラムス

あまりにも有名になってしまったため、50歳以上の人にとっては非常にいかがわしいタイトルにもかかわらずJBがらみで使えば割と平気で口にできるようになってしまったという稀有な曲です。
演奏で目立つのはギターのカッティングです。
楽器を演奏したたことがある人ならわかると思いますが、聞こえる音だけコピーしてもこの曲にはなりません。
ゴーストノートというか聞こえていない部分も弾かないとノリは出ないんだ・・・とその昔、初心者の頃思い知らされた時がありました。
一度ハマってしまうと “キキアキタ” なんていう次元を超えてしまうナンバーです。
締めのリズムも決まっています。

3,   I Got the Feelin’ アイ・ガット・ザ・フィーリン
(ジェームス・ブラウン)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

ウェイモン・リード-トランペット
ジョー・デュパーズ — トランペット
レヴィ・ラズベリー — トロンボーン
アルフレッド・ピィー・ウィー・エリス— アルトサックス
メイシオ・パーカー— テナーサックス
セントクレア・ピンクニー— バリトンサックス
ジミー・ノーレン— ギター
アルフォンソ・カントリー・ケラム — ギター
バーナード・オーダム— ベース
クライド・スタブルフィールド— ドラムス

1968年にリリースされ、R&Bチャートで1位、ポップチャートでも6位と大ヒットとなりました。
1968年にジャクソン5がモータウンの創設者ベリー・ゴーディのところでオーディションを受けた際、10歳のマイケル・ジャクソンはこの曲のJBの歌唱スタイルとダンスを完璧にコピーして披露したそうです。
こういう突っかかるような直線的ではない、のたうつリズムもJBの持ち味です。

4,   Mother Popcorn, Pt.1 マザー・ポップコーン
(ジェームス・ブラウン、ピィー・ウィー・エリス)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

リチャード・”クッシュ”・グリフィス -トランペット
ジョー・デイビス – トランペット
フレッド・ウエズリー-トロンボーン
アルフレッド・ピィー・ウィー・エリス— アルトサックス
メイシオ・パーカー— テナーサックス
セントクレア・ピンクニー— バリトンサックス
ジミー・ノーレン— ギター
アルフォンソ・カントリー・ケラム – ギター
チャールズ・シェレル-ベースギター
クライド・スタブルフィールド— ドラムス

1969年リリースでR&Bチャート1位、ポップチャート11位となったヒット曲です。
ポップコーンとは当時流行したダンスのことです。
マザーとはJB流に言えばお尻のガッチリした女性のことだそうです。
1969年はこの1つ前のシングルが「ポップコーン」で1つ後が「ロウダウン・ポップコーン」という怒涛のポップコーン攻めを見せています。
リズムとストップさせながらグルーヴしていくのが印象的です。
高校生の頃、エアロスミスのライブ盤「ライブ・ブートレッグ」を聞いた時にこの曲をカバーしていたのを思い出します。
はっきりいってブラックミュージックなんて何も知らないながらも上手いとは思いませんでした。
でも強烈に印象に残ったものでした。

5,   Give It Up or TurnIt a Loose ギヴ・イット・アップ・オワ・ターニット・ア・ルーズ
 (チャールズ・ボビット)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

・ジェームス・ブラウン・オーケストラ
ウェイモン・リード– トランペット
リチャード・”クッシュ”・グリフィス – トランペット
フレッド・ウエズリー– トロンボーン
アルフレッド・ピィー・ウィー・エリス— アルトサックス
メイシオ・パーカー– テナーサックス
セントクレア・ピンクニー– バリトンサックス
ジミー・ノーレン– ギター
アルフォンソ・カントリー・ケラム – ギター
チャールズ・シェレル– ベース
ネイト・ジョーンズ – ドラムス
チャック・カークパトリック – レコーディングエンジニア

直訳すると「諦めるか、放っておくか」というなかなかいい感じのタイトルです。
1969年シングルリリースされ、R&Bチャート1位、ポップチャートでも20位以内に入りました。
「いやーおぅ」で始まりこの曲の主役はベースです。
特にファンキーなベースが効いているナンバーです。


6,   Make it Funky, Pt.1 メイク・イット・ファンキー
 (ジェームス・ブラウン、チャールズ・ボビット)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル、オルガン

・JB’S
ジェローン・「ジャサーン」・サンフォード − トランペット、ボーカル
ラッセル・クライムズ − トランペット、ボーカル
フレッド・ウエズリー − トロンボーン、ボーカル
セントクレア・ピンクニー − テナーサックス、ボーカル
ハーロン・”チーズ”・マーティン − ギター、ボーカル
ロバート・リー・コールマン − ギター、ボーカル
フレッド・トーマス − ベース、ボーカル
ジョン・“ジェイボ”/スタークス − ドラム、ボーカル
ボビー・バード − ボーカル
マーサ・ハーヴィン − ボーカル

まさにこれぞJBというタイトルの曲です。
1971年8月にリリース、R&Bチャートで1位、ポップチャートでも22位とヒットしました。
このベースについてはStylus Magazineの「史上最高のベースライントップ50」において2位に輝いております。
と言いつつ調べてみたら1位はクイーンの「アンダー・プレッシャー」、3位はシックの「グッド・タイムズ」、4位ドナ・サマー「アイ・フィール・ラヴ」、5位ジョン・コルトレーン「至上の愛」、6位ミーターズ「ジャスト・キッス・マイ・ベイビー」、ということです。
うーんなんか的(まと)が絞れてなくて微妙と感じるのは私だけ?
ここではこのじわじわとくるファンキーさがとっても気持ちよく、1975年のJB’s名義のアルバム「ハッスル・ウィズ・スピード」あたりにつながりそうなノリがあります。

7,   Papa’s Got a Brand New Bag, Pt.1 パパのブラン・ニュー・バッグ
 (ジェームス・ブラウン)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

・ジェームス・ブラウン・バンド
ジョー・デュパーズ – トランペット
ロン・トゥーリー – トランペット
レヴィ・ラズベリー – トロンボーン
ウィルマー・ミルトン – トロンボーン
ナット・ジョーンズ – アルトサックス、オルガン
メイシオ・パーカー – テナーサックスとバリトンサックス
セントクレア・ピンクニー– テナーサックス
エルディー・ウィリアムズ – テナーサックス
アル・ブリスコ・クラーク – テナーサックス
ジミー・ノーレン– ギター
サム・トーマスまたはバーナード・オダム – ベース
メルヴィン・パーカー – ドラム

JBのファンクの出発点を語る時に必ず上がってくる作品です。
R&Bチャートでは当然のごとく1位となり、ビルボード・ホット100で初めてトップ10入りし、8位まで上昇しました。
「チキン・スクラッチ」と言われるギターカッティングの名手、ジミー・ノーレンが初めて参加した曲です。
プリンスなど後世のミュージシャンに対する影響はすごいものがあります。

8,   Think シンク
 (ローマン・ポーリング)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

・フェイマス・フレイムズ
ボビー・バード – ボーカル
ボビー・ベネット – ボーカル
ベイビー・ロイド・ストールワース – ボーカル
ビル・ホリングス – ボーカル
ジョニー・テリー – ボーカル

・ジェームス・ブラウン・バンド
アルフレッド・コーリー – アルトサックス
JC デイビス – テナーサックス
ボビー・ローチ – ギター
バーナード・オダム – ベースギター
ナット・ケンドリック – ドラムス

オリジナルは1957年ファイヴ・ロイヤルズのヒット曲のカバーです。
ジェイムス・ブラウン・アンド・フェイマス・フレイムズ名義で1960年にリリースされてR&Bチャートで7位、ポップチャートで33位のヒットとなりました。
オリジナルに比べてかなりリズムを効かせてダンサブルにアレンジされています。
最初の「ウェーイ」という第一声でもうJBの世界です。1963年のライブアルバム「ライブ・アット・ジ・アポロ」では超高速アレンジの「シンク」で攻めてきます。

9,   It’s a Man’s Man’s Man’s World イッツ・ア・マンズ・マンズ・ワールド
 (ジェームス・ブラウン、ベティ、ジーン・ニューサム)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

ダッド・バスコム – トランペット
ウェイモン・リード – トランペット
ラマー・ライト – トランペット
ヘイウッド・ヘンリー – バリトンサックス
イアン・ブライドル – ピアノ
ビリー・バトラー – ギター
バーナード・“プリティ”・パーディ– ドラム

トロンボーン、ベース、弦楽器を含む他の演奏者は不明

編曲・指揮:サミー・ロウ

昭和生まれのおじさんとしてはこのタイトルを見るとチャールズ・ブロンソンのCM「マンダム: 男の世界」を必ず連想します。(これがわかる人はきっと60歳以上です)
JBは1963年のコメディ映画「イッツ・ア・マッド・マッド・ワールド」に引っ掛けたものだそうです。
1966年4月のリリースでR&Bチャート1位、ビルボード・ホット100でも8位まで上昇するヒットとなりました。
このソウルフルでヒリヒリしたヴォーカルがまたハードボイルドでたまりません。


10,  Try Me トライ・ミー
 (ジェームス・ブラウン)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

・フェイマス・フレイムズ
ジョニー・テリー − バックボーカル
ビル・ホリングス − バックボーカル
JWアーチャー − バックボーカル
ルイス・マディソン − バックボーカル

ミュージシャン
ジョージ・ドーシー − アルトサックス
クリフォード・スコット − テナーサックス
アーニー・ヘイズ − ピアノ
ケニー・バレル − ギター
カール・ブルーイット − ベース
デヴィッド・パナマ・フランシス − ドラムス

名曲です。コワモテのJBに似合わず(?)甘い感じもするラヴ・バラッドとなっています。
バラードを歌わせても天下一品です。
R&Bチャートでは当然のごとく1位、ポップチャートで48位となり初めてビルボード・ホット100に登場した曲となりました。

11,  Night Train ナイト・トレイン
 (ジミー・フォレスト、ルイス・シンプキンス、オスカー・ワシントン)

オリジナルは1951年に書かれたものです。
デューク・エリントンやオスカー・ピーターソンによるジャズの曲としても有名で、さらにはニューオリンズのダーティ・ダズン・ブラス・バンドもカバーしています。
ジェームス・ブラウン・バージョンは1962年3月にリリースされ、R&Bチャート3位、ポップチャート35位のヒットとなりました。
演奏の詳細は不明ですがJBはここでドラムを演奏しているとのことです。
サックスラインはJB’s名義では1975年のアルバム「ハッスル・ウィズ・スピード」収録のインスト曲「オール・アボード・ザ・ファンキー・トレイン」でも取り入れています。

12,  Cold Sweat, Pt.1 コールド・スエット
 (ジェームス・ブラウン、ピィー・ウィー・エリス、デイヴィッド・リンダップ)

ジェームス・ブラウン − リードボーカル

ウェイモン・リード –トランペット
ジョー・デュパーズ – トランペット
レヴィ・ラズベリー –トロンボーン
アルフレッド・ピィー・ウィー・エリス — アルトサックス
メイシオ・パーカー – テナーサックス
エルディー・ウィリアムズ – テナーサックス
セントクレア・ピンクニー – バリトンサックス
ジミー・ノーレン – ギター
アルフォンソ・カントリー・ケラム – ギター
バーナード・オダム – ベース
クライド・スタブルフィールド – ドラムス

この曲の成り立ちについては、ある日ライブの後にピー・ウィー・エリスがJBを呼んでベースラインを聞かせたことから始まります。
それはマイルス・デイヴィスのアルバム「カインド・オブ・ブルー」のオープニング曲「ソー・ホワット」にインスパイアされたものでした。
JBは気に入ってバンドアレンジして録音することにしました。
バンドはスタジオで半円状に並んでワンテイクのみという一発取りだったそうです。
JBのヴォーカルはメーターが振り切れてレッドゾーンに入っているような感じで歪んでいますが、もうそんなことは関係ない世界となっています。

13,  Get on the Good Foot ゲット・オン・ザ・グッド・フット
 (ジェームス・ブラウン、ジョー・ミムス、フレッド・ウエズリー)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

・JB’s
ラッセル・クライムズ − トランペット
アイク・オークリー − トランペット
フレッド・ウエズリー − トロンボーン
ジミー・パーカー − アルトサックス
セントクレア・ピンクニー − テナーサックス
ハーロン・「チーズ」・マーティン − ギター
ボビー・ローチ − ギター
フレッド・トーマス − ベース
ジョン・“ジェイボ”・スタークス − ドラム

軽快なファンキーナンバーです。
1972年にリリースされR&Bチャートで1位、ポップチャートで18位となりました。ライブでも定番の曲となっていました。

14,  Papa Don’t Take No Mess, Pt.1 パパ・ドント・テイク・ノー・メス
 (ジェームス・ブラウン、チャールズ・ボビット、ジャボ・スタークス、フレッド・ウエズリー)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

フレッド・ウエズリーとJB’s
フレッド・ウエズリー − トロンボーン
アイク・オークリー − トランペット
メイシオ・パーカー − アルトサックス
セントクレア・ピンクニー − テナーサックス
ジミー・ノーレン − ギター
ハーロン・「チーズ」・マーティン − ギター
フレッド・トーマス − ベース
ジョン・“ジェイボ”・スタークス − ドラム
ジョン・モーガンまたはジョニー・グリッグス − パーカッション

1974年8月にリリースされJBにとって17枚目、そして最後のR&BチャートNo.1となったナンバーです。
ポップチャートでも33位まで上昇しました。
スローなファンキーさがたまりません。
JB的にはここからディスコ・ブームに押されていくことになりますが、今の視点で見ると時代を超えて残ったのはディスコではなくJBファンクでした。

15,  The Payback ザ・ペイバック
 (ジェームス・ブラウン、ジャボ・スタークス、フレッド・ウエズリー)

トロンボーン奏者のフレッド・ウエズリーがベースを作り、ジェームス・ブラウンがアレンジした曲です。
1974年2月にリリースされ、R&Bチャートで1位、ビルボード・ホット100で26位までチャートを上昇しました。
サウンド的に若干ディスコの影響が見られます。
「報復」というタイトルのイメージもあってかドラマや映画でかなり使用されています。

16,  Say It Loud – I’m Black and I’m Proud, Pt.1 セイ・イット・ラウド・アイム・ブ¥ラック・アンド・アイム・プラウド
 (ジェームス・ブラウン、ピィー・ウィー・エリス)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

児童合唱団
ライアン・ヘイマン・ボール・プレップ・アカデミー

ウェイモン・リード – トランペット
リチャード・”クッシュ”・グリフィス – トランペット
フレッド・ウエズリー – トロンボーン
アルフレッド・ピィー・ウィー・エリス − アルトサックス
メイシオ・パーカー – テナー・サックス
セントクレア・ピンクニー – バリトン・サックス
ジミー・ノーレン – エレキギター
チャールズ・シェレル – ベース
クライド・スタブルフィールド – ドラム

1968年にJBがピー・ウィー・エリスと一緒に書いた曲です。
フレッド・ウエズリーをフィーチャーした最初の曲でもあります。
タイトル通り、ブラック・パワーを象徴するようなナンバーです。

17,  Super Bad, Pt.1 & 2 スーパー・バッド
 (ジェームス・ブラウン)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

JB’s
クレイトン・“チキン”・ガネルズ − トランペット
ダリル・ハサーン・ジェイミソン − トランペット
ロバート・マコロー − テナーサックス
ボビー・バード − ハモンドオルガン
フェルプス・“キャットフィッシュ”・コリンズ − ギター
ウィリアム・「ブーツィー」・コリンズ − ベース
ジョン・“ジェイボ”・スタークス − ドラム
ジョニー・グリッグス − コンガ


JBを代表する「スーパー・バッド」=「最高」そのもののナンバーです。
1970年10月にリリースされR&Bチャートで1位、ビルボード・ホッと100でも13位まで上がりました。
全てがこれ以上ないくらいカッコよくできていて、なんといっても「うわっちみ、うわっちみ、あいがりっ」といきなり首根っこを掴まれて力技で強引にJBの世界に連れて行かれる感じが最高です。


18,  Hot Pants, Pt.1 ホット・パンツ
 (ジェームス・ブラウン、フレッド・ウエズリー)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

JB’s
フレッド・ウエズリー – トロンボーン
ジミー・パーカー – アルトサックス
セントクレア・ピンクニー – テナーサックス
ボビー・バード – オルガン
ハーロン・「チーズ」・マーティン – ギター
ロバート・リー・コールマン – ギター
フレッド・トーマス – ベース
ジョン・“ジェイボ”・スタークス − ドラム
ジョニー・グリッグス – コンガ

1971年7月リリース、R&Bチャート1位、ビルボード・ホット100で15位、キャッシュボックスで10位というヒットとなりました。
ミディアム・テンポでリズムにバネがあります。
時間を忘れるような快感です。

19,  Get Up Offa That Thing ゲット・アップ・オファ・ザッツ・シング
 (ジェームス・ブラウン、デイドリー・ブラウン)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

JB’s
ラッセル・クライムズ – トランペット
ホリー・フェリス – トロンボーン
セントクレア・ピンクニー – テナーサックス
ペイトン・ジョンソン – テナーサックス
ジョー・ポフ・ジュニア − アルトサックス
ジミー・ノーレン – ギター
ロバート・リー・コールマン – ギター
チャールズ・シェレル – クラビネット
メルヴィン・パーカー – ドラム
ウィル・リー – ベース

1976年5月のリリースでR&Bチャートで1年ぶりに4位となって久々のトップ10ヒットとなりました。
落ち込んでいないで立ち上がって気分が良くなるまで踊ろう、という意味を持つナンバーだそうです。
この曲は録音も素晴らしく、音の粒だちが最高です。
この時代になるとアナログレコーディングの音質はすべてのジャンルで極まっていました。

20,  Please, Please, Please プリーズ・プリーズ・プリーズ
 (ジェームス・ブラウン、ジョニー・テリー)

ジェームス・ブラウン – リードボーカル

・フェイマス・フレイムズ
ボビー・バード – バックボーカル
ジョニー・テリー – バックボーカル
シルベスター・キールズ – バックボーカル
ナッシュ・ノックス – バックボーカル
ナフロイド・スコット – ギター

プラス:
ウィルバート・”リー・ダイアモンド”・スミス – テナーサックス
レイ・フェルダー – テナーサックス
ルーカス・”ファッツ”・ゴンダー – ピアノ
クラレンス・マック – ベース
エジソン・ゴア – ドラムス

1958年のJBのデビュー曲にしてソウル・スタンダードです。
同名のデビューアルバムはアルバムのタイトル曲と「トライ・ミー」という大ヒット曲、およびそれまでのチャート入りしなかったシングル曲で構成されていますが、ソウル・ミュージック視点から見てもとても質が高い作りとなっています。
アルバムキャケットも秀逸で、別に足フェチではありませんが足のアップだけで見事なデザインになっています。
他にも有名なところではジャズの名門ブルーノートのソニー・クラークの名盤「クール・ストラッティン」があります。
そちらは揚々と街を歩く女性の様子を撮ったもので、モデルはルース・ライオン(ブルーノートの社長、アルフレッド・ライオンの奥さん)だそうです。
JBの方はというと、モデルはわかりませんが「さあさあ、さあさあ、はっきりカタをつけてよ」と男に覚悟を迫っているようなポーズでこちらもなかなかの味があります。

*ブルーノートの名盤、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」です。

*ジェームス・ブラウンのデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・プリーズ」です。

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