「神の声を持つ男、その3 サザンソウルの至宝と呼ばれたSTAXの人気者」Otis Blue : Otis Redding / オーティス・ブルー : オーティス・レディング

 1960年代にソウル、R&Bのみならずロックやポップスにも強い影響を与えたオーティス ・レディングです。

惜しむらくは絶頂期の1967年12月10日に飛行機事故で亡くなられました。
生まれが1941年9月9日ですので、残された映像や写真では見た目とっても貫禄がありますがまだ20代だったのです。

オーティス のすごいところは何と言っても歌唱力、というか声の表現力です。現在でも彼を目指す歌唄いは後を経ちません。
聴く人の感情を別次元まで持っていくほどのパワーがあります。そういう意味ではゴスペルに通じますが、彼は正確な意味でゴスペル、宗教歌は歌っていません。

そして肝心なところ、人気の原因として人柄も良かったそうなのです。

バンドメンバーを始め周囲の関係者は誰しも彼と組みたい、一緒に仕事をしたいと思っていたと聞きますので、業界内でも相当に信頼が厚かったようです。

男性ヴォーカルで神の喉を持ち、唯一無二、異次元の表現ができる人はサム・クック、レイ・チャールズ、そしてオーティス ・レディングだと思います。(個人の感想です)

オーティス・レディングを「神の声を持つ男 その3」としたのは、今の時点でまとまっていませんが「その2」はレイ・チャールズと決めているからです。

オーティスについて印象深いことといえば、1967年にザ・フー、ジミ・ヘンドリクスらのロック勢と共にモンタレー・ポップフェスティバルに出演しました。

今では映像でも確認できます。

それは大音量のビッグフェスティバルが始まる時代でした。

その中においてオーティス の使用する機材はパワーで勝負するフーやジミヘンに比べるとめちゃくちゃ貧弱な機材だったそうです。

そういうハンディを背負いつつも本番では観客を虜にしてすごいグルーヴを見せつけました。

客席でジャニス・ジョプリンも憧れの眼差しで見ています。

紹介する「オーティス ・ブルー」は1965年にVolt (Stax) レーベルから3枚目としてリリースされました。

もちろんバックを固めるのは鉄壁の職人集団、ブッカーT & The MG`s です。
オーティス のアルバムは正式にはスタジオアルバム7枚、ライブアルバム1枚で、全ておすすめですが、中でもこのオーティス ・ブルーはポップ寄りで聞きやすく、さらにサザン・ソウルの奥深さが味わえるシロモノです。

アルバム「オーティス・ブルー」のご紹介です。

演奏
オーティス・レディング  ヴォーカル
スティーヴ・クロッパー  ギター
ドナルド・ダック・ダン  ベース         
アル・ジャクソン・ジュニア  ドラムス
ブッカー・T・ジョーンズ  キーボード
ウェイン・ジャクソン、ジーン・ボウレッグス・ミラー  トランペット
アンドリュー・ラヴ  テナーサックス
フロイド・ニューマン  バリトンサックス
ウィリアム・ベル  バッキングヴォーカル Tr, 2
アール・シムズ  バッキングヴォーカル Tr, 2

トム・ダウド  エンジニア

曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。

1,    Ole Man Trouble  オール・マン・トラブル
(作 オーティス ・レディング)

ミディアムテンポで徐々に盛り上げていきます。オーティス らしい曲です。


2,    Respect  リスペクト
(作 オーティス ・レディング)

アレサ・フランクリンで有名な曲です。リズム、ホーンともにスタックスらしさが出ています。


3,    Change Gonna Come  チェンジ・ゴナ・カム
(作 サム・クック)

師匠のサム・クックの代表曲です。オーティス のバージョンも後のネヴィル・ブラザーズのバージョンもそれぞれ感情が入っていて素晴らしいと思います。


4,    Down In The Valley  ダウン・イン・ザ・ヴァレー
(作 バート・バーンズ、ソロモン・バーク、Babe Chivian、ジョー・マーチン)

これはソロモン・バークのバージョンで有名です。ベースのグルーヴが好きです。


5,    I Been Loving You Too Long  愛しすぎて
(作 オーティス ・レディング、ジェリー・バトラー)

ライブで泣き落とす必殺曲です。

最近思ったこと、
長らく「あいしすぎて」と安直に読んできたものですが、よくよく考えれば「いとしすぎて」ではないでしょうか。「あいしすぎて」だと世界が小さく自分だけの独りよがりの感が強くなります。「いとしすぎて」だと相手への気遣い、思いやりも感じられます。その語感の違いは重要ですね。


6,   Shake  シェイク
(作 サム・クック)

これも師匠のサム・クックのヒット曲です。ライブでこの曲を演るとものすごく盛り上がります。これぞソウルの正統派ストロングスタイルです。


7,    My Girl  マイ・ガール
(作 スモーキー・ロビンソン、ロナルド・ホワイト)

モータウンのザ ・テンプテーションズのヒットで有名です。この曲があるのでポップな聴きやすいアルバムというイメージがあります。


8,   Wonderful World  ワンダフル・ワールド
(作 サム・クック、ルー・アドラー、ハーブ・アルパート)

またまた師匠のカバーです。アメリカのスクールライフを歌います。さらっと聞けば勉強嫌いの青春ソング、深読みすれば当時(サム・クックの時代)の劣悪なアフリカン・アメリカンの教育環境と言われています。


9,   Rock Me Baby  ロック・ミー・ベイビー
(作 B.B.キング、Joe Josea)

B.B.キングのブルーズです。スティーヴ・クロッパーのギターもB.B.キングを意識したソロで盛り上げます。


10,   Satisfaction  サティスファクション
(作 ミック・ジャガー/キース・リチャード)

言わずと知れたローリング・ストーンズの大ヒット曲です。ロックですが何のてらいもなく自分の曲のように歌って、自分のものにしています。


11,   You Don’t Miss Your Water  恋を大切に
(作 ウイリアム・ベル)

ウィリアム・ベルの曲です。名曲でアレサ・フランクリンやパーシー・スレッジ、ザ・バーズ などもカバーしています。
日本語のタイトルが・・・なんか安直。


こういうサザン・ソウルなアルバムもいいものです。

Bitly
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