「ブルーズ3大キングその3、Mr.ソウルフル・ブルーズ、フレディ・キングの代表作」Freddie King Is A Blues Master : Freddie King / フレディ・キング・イズ・ア・ブルーズ・マスター

 ブルーズ界の3大キングと呼ばれる御三方がいらっしゃいます。
B.B.キング様 、アルバート・キング様、そして最後にこのフレディ・キング様です。
今回はソウルフルなボーカルと綺麗で力強いギターフレーズで有名なフレディ・キング様の代表作「フレディ・キング・イズ・ア・ブルーズマスター」の紹介です。

フレディ・キングも他の二人のキングと同様、いやそれ以上にロック、ブルーズに大きな影響を与えました。ジェフ・ベック、ピーター・グリーン、ミック・テイラーやスティービー ・レイ・ヴォーンはもちろんですが、特にエリック・クラプトンは影響を公言しており、たくさんの曲をカバーしています。ギター奏法にも如実に影響が見られます。フレディもクラプトンも歌うようなギターフレーズを紡ぎます。

個人的にもなんとなくおサルさん顔も味があり好きです。

来歴

フレディ・キングは1934年9月3日にテキサス州ギルマーに生まれました。本名はフレッド・キングです。他の二人と違って本名がキングなので、通称や芸名ではありません。
でもデビューする頃にはアルバートもB.B,も当然知っていたでしょうから本名とはいえ “キング” を名乗るにはそれなりの自信が必要だったと思います。

10代後半にシカゴに引っ越してナイトクラブに入り浸るようになり、マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、エルモア・ジェイムス、Tボーン・ウォーカー、サニーボーイ.ウィリアムソンなどを見て、自らもバンドを結成しました。
製鉄所で働きながら1950年代中頃からジミー・ロジャース、ロバート・ロックウッド・ジュニア、エディ・テイラー、リトル・ウォルターなどと共演します。
大物ブルーズマンのオンパレードです。相当にカワイガラレタ(鍛えられた)ことだと思います。

1956年にレコードデビューしますがどこにも詳細な言及がないため、たいして売れなかったものと思われます。シカゴブルーズの名門チェスレコードのオーディションを繰り返し受けましたが、いつも落ちたそうです。
本当かどうか分かりませんが、理由はB.B.キングに似過ぎているからだったとか。
B.B.キングが二人、三人いても需要はありそうですけどね。

1959年にキングレコード傘下のフェデラルレコードと契約し、翌年には「Hideaway」がインスト曲ではR&Bチャート5位、ポップチャート29位という異例の大ヒットとなり一躍有名になります。
ちなみにハイダウェイとは「Mel’s Hide Away Lounge」というシカゴ、サウスサイドのクラブのことだそうです。
他にもこの時期にはかの有名な「Have You Ever Loved a Woman」もヒットさせています。

それから1975年までは順調に音楽活動を続け、特にライブは評判でしたが、ツアーのハードスケジュールがたたり、胃潰瘍と急性膵炎のため1976年12月28日に42歳で亡くなりました。

マジック・サムと同様、過労の気配が濃厚です。
もっと周囲の人も彼の人生を大切にして欲しかったと思います。


アルバム「フレディ・キング・イズ・ア・ブルーズ・マスター」のご紹介です。

1969年、コティリオン・レーベルからリリースされ、プロデューサーはファンキー・ソウル・ジャズで有名なキング・カーティス です。
このアルバムは完璧なブルーズアルバムと感じます。時代的にロック、ソウル、ファンクを全部押さえた上でのブルーズです。わかっちゃいるけど俺が演りたいのははこれだ!みたいな意気込みを感じます。

歌もうまいですし、オーバードライブしたギブソン ES-335の音も素敵です。

演奏

フレディ・キング  ギター、ヴォーカル
ビリー・バトラー  ギター Tr.3
Jerry Jemmott  ベース
ノーマン・プライド  ドラムス
Gary Illingworth  キーボード
ジェームス・ブッカー  キーボード

・サキソフォン David  “Fathead” Newman,  Willie Bridges,  キング・カーティス
・トランペット Joe Newman,  Martin Banks,  Melvin Lastie


曲目
*参考までにyoutube音源をリンクさせていただきます。(2023年12月10日、改訂)


1,  Play It Cool  プレイ・イット・クール

ややゆったり目のブルーズから始まります。気合いを感じます。ギターソロからぐいぐい持っていきます。


2,  That Will Never Do  ザット・ウィル・ネバー・ドゥ

軽快なリズムです。ベースもいいです。


3,   It’s Too Late, She’s Gone  イッツ・トゥ・レイト・シーズ・ゴーン

クラプトンもデレク ・アンド・ザ・ドミノス「レイラ」でカバーしました。いい曲なのでちょっと短すぎる気もします。この人は歌もなかなかいけます。


4,   Blue Shadows  ブルー・シャドウズ

この曲もミドルテンポで訥々と紡いでいきます。


5,    Today I Sing The Blues  トゥデイ・アイ・シング・ザ・ブルーズ

いかにもモダーン ブルーズらしい、身を任せて浸れる曲です。


6,    Get Out Of My Life, Woman  ゲット・アウト・オブ・マイ・ライフ・ウーマン

トレモロの効いたオルガンがいいです。クリームの「ストレンジ・ブルー」の元ネタですね。


7,    Hideaway  ハイダウェイ

再録で新しめのサウンドになっています。



8,     Funky  ファンキー

インストです。タイトル通り、ファンキーに突っ走ります。

9,    Hot Tomato   ホット・トマト

引き続き、インスト、ファンキー路線です。

10,    Wide Open  ワイド・オープン

快調にインストルメンタル4曲目です。

11,    Sweet Thing  スゥイート・シング  

さらにファンキーにインストものが続きます。プロデューサー、キング・カーティス の趣味丸出しです。

12,   Let Me Down Easy  レット・ミー・ダウン・イージー

最後はピアノのイントロからしみじみと歌い上げます。ラストにふさわしいバラードです。

Bitly
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